米グーグルの創業者らが設立した科学賞「ブレイクスルー賞」が4月5日発表され、基礎物理学部門で、欧州素粒子物理学研究所CERNの大型ハドロン衝突型加速器LHCを用いて素粒子やクォーク・グルーオン・プラズマ（QGP）の性質を解明した国際共同実験ATLAS・ALICEを含む４つのチームが受賞しました。

筑波大学は、ALICE実験の開始前から参加し、ジェットのエネルギーを高精度で測定できるEMCAL/DCAL検出器の建設と運用を行い、様々な物理解析を主導し、宇宙初期物質であるクォーク・グルーオン・プラズマ（QGP）の生成とその性質解明に大きく貢献しました。

現在は、数理物質系の中條 達也 教授、坂井 真吾 研究員、三明 康郎 名誉教授、稲葉 基 教授（筑波技術大学）と数理物質科学研究群の大学院生と合わせて約15名が参加し、研究を行っています。筑波大学は新検出器「前方カロリメータ検出器 FoCal」を主導し、FoCalを使ってカラーグラス凝縮（CGC）や初期宇宙物質QGPの生成機構など、新たな謎の解明を目指しています。また将来計画「ALICE3」における高精細量子半導体検出器（MAPS）を使った新たな検出器開発も精力的に行っています。
（筑波大学ウェブサイト_ TSUKUBA JOURNALより転載）

●関連リンク

• Breakthrough Prize – Fundamental Physics（ブレイクスルー賞ウェブサイト）
• Breakthrough Prize – Fundamental Physics – ATLAS Collaboration（ブレイクスルー賞ウェブサイト）
• The LHC experiment collaborations at CERN receive Breakthrough Prize（欧州素粒子物理学研究所ウェブサイト）
• ATLAS JAPANウェブサイト
• 2025 Breakthrough Prize in Fundamental Physics（ALICE実験ウェブサイト）
• ALICE 実験を含むLHCの4実験 (ALICE, ATLAS, CMS, LHCb) は、2025年ブレイクスルー賞「基礎物理学部門」を受賞しました。（ALICE実験日本グループウェブサイト）